金銀糸について 1掛けの金糸の構成(断面図)は
( 表面 ) @ポリエステルフイルム A
金色の着色染料 B
銀 蒸着 C酸化防止の為の樹脂 D
和
紙
( 中面 ) このように重なっているフイルムを約0.0378mm幅に細く切って100dのレ−ヨン芯にらせん状に巻いたものが1掛けの金糸になります。 A番の金の色を換えれば、色々な色の金糸が出来ます。
Aに色を付けない時は銀糸になります。 銀の厚さは0.0001oから0.00005oです。 銀は本物です。だから硫酸 硫黄 ゴム製品 や亜鉛酸ソ−ダを含んでいる皮製品などに刺繍を する時は銀が数日で黒変します。家の戸棚に置いて有る銀のコップが黒くなっているのと、同じ 現象です。 『
使用例 』 デニムのパンツに使用した時 石と一緒に洗うストンウオッシュをするときはデニムの布を傷めると同じように @番上のポリエステルフイルムに傷が付いて少し光沢が落ちます。 デニムの布を柔らかくするバイヲ加工の時は芯がナイロンの銀糸で 下糸はポリエステルを使うなど工 夫が必要です。 『
今までに問題になった実例 』 後製品染めの時 赤 青 黄 の色はきれいに染まりましたが、黒に染めた製品の刺繍だけ銀糸が黒変 しました。原因は黒の染料の中に硫黄が入っていた為。 同じように黒の製品に刺繍をして洗った時銀糸が黒くなった。これは布を硫黄が入っている染料で染 めていた為、洗いの時、色と一緒に硫黄が溶け出して銀糸が黒く変化した。 金糸の刺繍の製品をストンで洗うと金糸が銀糸になっていました。
原因は @のフイルムの上面に金色を着色したトップ糸だったので色がはがれて落ちた為。
(トップ糸は、おもに着物に使っています。) パンツの左右の刺繍が色違いに黒変した。原因はロットの違う銀糸を使った為。 金銀糸メ−カ−はデニムパンツの洗いを想定して作って無いのでクレ−ムは受けてもらえませんでし た。想像を超える洗いのため左右のロットの銀糸が別々に硫化銀に変化したため黒変に差がしょうじ た。 こんな事に気を付けながらいろんな洗いの製品の刺繍に金糸
銀糸 は使われています。 見本の洗いは本番より強力に 入れる薬剤に気をつけて下さい。 同じロットの金銀糸を使って下さい。
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